
その立ち上がりかたが腰痛の原因かもしれない!
この腰痛も自らの人体実験による結果をご説明します。
この腰痛は『【第二章】何腰痛』でお話しした『前かがみ腰痛』に該当します。
一般的に多い例として、重い荷物を持つときの体勢が良くないとこうなります。
しかし、中には「私は重い荷物を持たないのにこの腰痛です」という人もいると思います。
どちらにしても前かがみ腰痛になる原因の一つとして『床からの立ち上がりかた』にあると考えます。
前かがみ腰痛になってしまう動き
まずは重い荷物を持つ時を例にしたほうが分かりやすいので解説します。
荷物を持つとき、大半の人が前にかがんで持ち上げようとします。

その時、持ち上げる力は腹筋や背筋に頼ることになります。
腹筋や背筋の力では足りない場合、腰で支えて持ち上げるという事なので、椎間板をクッション代わりにして持ち上げていることになります。

これではつぶれるも当然ですね。椎間板がつぶれれば、椎間板の周りの線維輪が損傷してしまい、それを修復しようとして本来神経の通っていなかった線維輪の内側にも神経が入り込んできて、痛みを感じるようになります。
前かがみ腰痛にならないための対策
多くのサイトやテレビでは「鍛えよう!」とか「コルセットを使おう!」といいますが、鍛えることが出来ないくらい痛かったり、コルセットを付けてらんないような仕事をしていたりと、あまり参考になるアドバイスがありませんでした。
私としては根本的な解決から腰痛を改善したかったので、研究と実験を繰り返して対策を見つけました。
プロの動きに学ぶ
重い荷物を上げ下げするときは、前かがみにならないように気を付けるだけで腰痛が改善します。引っ越し業者さんの動きを見ていると違いが分かります。
画像は荷物を降ろすところですが、抱きかかえるように荷物を持って足を曲げて腰を下ろしています。

立ち上がる時も同じように、腰は曲げず荷物を抱くように持ったら、そのまま足の力でまっすぐ上に立ち上がります。そうすることで腰に負担がかからず立ち上がることが出来ます。
イメージとしては『起き上がる』のではなく『立ち上がる』といったところでしょうか。

重い荷物を持っていなくても腰痛になる理由は?
ここからが本題になりますが、重い荷物を持っていなくても前かがみ腰痛になりますが、理由は同じく『立ち上がりかた』にあります。
腰痛になると立つことさえも大変なので、私はテーブルに手をついて立ち上がってましたが、それこそが腰痛を悪化させてました。皆さんも思い当たる行動はないでしょうか?

手で補助して立ち上がろうとするときは、やや前かがみになっていて、腰が『くの字』になってしまいます。この体勢が腰痛の原因になるわけなんですが、これはテーブルに手をつくことが悪いのではなく、前かがみになることが問題でした。
手の補助があったとしても、前かがみの状態から体をまっすぐに起き上がらせるときには、結局腰を使います。
おすすめの立ち上がりかた
イメージとしては、袴や着物を着ている日本人の立ち上がりかたです。

参考として、齊木由香さんのホームページで『座敷での配慮のある立ち方』として詳しく画像付きの素晴らしいお手本があります。

足の筋肉に頼る立ち上がりかたなので、ひざが痛いかたはこの姿勢でテーブルなどに手をついて補助すれば、ひざの負担を減らせます。
もう少し簡単に立ち上がる方法として、 見た目はあまりよくないかもしれませんが、侍のように立膝の体勢から立ち上がると楽に立ち上がれます。

この立ち上がりかたも足の筋肉に頼るので、ひざが痛いかたは何かの支えがあってもいいかと思います。いずれも前かがみにならないようにすればOKです。
椅子の場合はどう立ち上がる?
椅子も同じで腰を曲げないように立ち上がると負担がないです。

上の例は介護の現場などで足が弱いかたにおすすめされている立ち上がりかたですが、腰痛のかたはこれでピキッと痛みが走ることがあります。
腰痛のかたには下の例がおすすめですが、椅子から落ちないように気を付けてください。落ちると悶絶します。
痛みを軽減する方法は?
痛みを今すぐに軽減したいかたは多いと思いますので自らで試して効果があったものを紹介します。
➊テニスボールでグリグリする
これは、固くなった腰の筋肉をほぐす目的で行います。自分で腰を押すのは困難なので、テニスボールを使いましょう。
テニスボールは安いので、持っていない人は購入することをおすすめします。欲を言うと『ノンプレッシャー』のタイプがいいです。空気が抜ける心配がなくいつまでも程よい固さで効きます。
インターネットでも購入できますが、商品より送料のほうが高くなってしまうので、スポーツショップで購入したほうが安いです。
使い方はいたって単純で、仰向けになって『ほぐしたいところ』にテニスボールを置くだけです。
腰が細いかたは力が入りにくいかもしれませんので、程よく力がかかるところまで足を抱えると気持ちがいいです。

➋ストレッチポールなどでおなか側を伸ばす。
これはつぶれた前側の椎間板を開放する目的で行います。まずは5分から10分くらいで様子を見ましょう。
この方法の良いところは、スマホで何かしながらできるところです。こういうことは続けることが大切なんですが、時間がない&面白くないと続かないんです。スマホを使いながらであれば時間がない人でも続けられます。
最初は痛いかもしれませんので、ビキッとならないようにゆっくりしましょう。慣れてきたらゆっくり大きく深呼吸するとおなか側が伸びる感じがすると思います。

腰を伸ばせるなら、ストレッチポールじゃなくても、ヨガマットを丸めたものや円柱型の枕でもいいんですが、なるべく固いほうがいいかもしれません。柔らかいと体重をのせた時につぶれるので、反り腰になる程度にしか伸ばせずあまり効果がないです。バランスボールも伸ばす程度で終わるので目的が果たせません。

前かがみ腰痛は伸ばして改善、日本の所作で予防!
前かがみの腰痛改善にはまず椎間板を開放してあげましょう。
痛みが軽減されたら前かがみにならないように、日本の所作を思い出して美しく立ち上がるだけで予防になります。
日本の所作は美しさが重要なんですが、まさか腰痛予防に効果があるとは恐れ入ります。
忘れてはいけませんね。日本の心。
ライター:くろ




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